慶應医学賞 推薦募集開始

慶應義塾医学振興基金が第29回(2024年)慶應医学賞推薦募集を開始しました。

第 29 回 慶應医学賞
1. 目 的: 顕著かつ創造的な研究業績を顕彰することによって、世界の医学・生命科学の発展に
寄与し、ひいては人類の幸福に貢献すること
2. 対象分野: 基礎医学・臨床医学ならびに医学に密接に関連した生命科学の諸領域
3. 贈賞人数: 2 名(国内 1 名、国外 1 名)
4. 副 賞: 1 賞につき副賞として 1000 万円とメダルを授与
5. 授 賞 式: 2024 年 11 月頃に慶應医学賞授賞式を開催予定(於:慶應義塾大学医学部信濃町キャンパス)
6. 候補資格: 現在活発な研究活動を行っており、今後も一層の活躍が期待される研究者が望ましい
7. 推薦締切: 2024 年 3 月 3 日(日)

第 29 回(2024 年)慶應医学賞候補者推薦要項

1. 審査基準:− 生命科学の研究に新展開をもたらした業績
− 基礎医学・臨床医学の発展に対する多大な貢献

2. 審 査:慶應義塾内外の審査委員、専門委員により数次にわたる厳正な審査を行う

3. 候補資格:候補者は現在活発な研究活動を行っており、今後も一層の活躍が期待される研究者が
望ましい

4. 推薦方法:
1) 1 機関、団体からの推薦件数に原則として制限はない。ただし、学会から推薦いただく場合には
若干名の推薦とする
2) 上記 1)の場合においても、原則として 1 研究テーマにつき 1 名の推薦とする

5. オンライン推薦:
下記 URL より推薦フォームへお進みください。
<慶應医学賞ホームページ> https://www.ms-fund.keio.ac.jp/prize/
1) 推薦フォームの入力
2) 以下の資料を提出
-主要論文のリスト(5 本、掲載論文の DOI を含む)
-候補者の略歴(作成日明記のこと)
-候補者の当該研究に関連のある主要業績目録
オンラインでの提出が難しい場合は、下記のメールアドレスにお問い合わせください。
<お問い合わせメールアドレス> k-nomination@adst.keio.ac.jp

6. 推薦締切日: 2024 年 3 月 3 日(日)

7. そ の 他:
-ペアノミネートおよびグループでのノミネートは受付けておりません。
-原則として送付書類は返却致しませんのでご了承ください。なお、推薦書類については慶應医学賞
審査以外で使用されることはありません。
-候補者をご推薦いただいた方には、受賞者決定後、結果をお知らせいたします。(9 月下旬予定)
-審査・選考過程等についてのお問い合わせには、原則としてお返事を差し控えさせていただきます。

お問合せ先:
慶應義塾医学振興基金事務室
〒160-8582 東京都新宿区信濃町 35 番地
TEL:03-5363-3609 FAX:03-5363-3215
E-mail:k-nomination@adst.keio.ac.jp
https://www.ms-fund.keio.ac.jp

北里柴三郎と福沢諭吉の意外な関係

1892年(明治25年)の秋、北里柴三郎は三田の福沢諭吉邸へ続く道を歩いていた。

福沢は慶應義塾に大学部を設け、偉大な教育者として名を馳せていた。一方の北里は、ドイツ留学で世界的な業績を挙げた後、内務省衛生局に復帰していた。だが、それも名ばかりで、半年近く無益な日を過ごしていた。

北里の話を聞いた福沢は、「この男に活躍の場を与えないのは国家の損失だ」と悟った。その場で、「芝公園に借りている土地があるから、そこに必要な建物を造ってスタートしようじゃないか。毎月の研究費も私が負担する」と促した。その土地は、福沢が子女の将来のために用意していたものだった。

北里は小さな研究所を造った。研究陣を拡充し、やがてヨーロッパの大研究所にも比肩する北里研究所を設け、日本の伝染病研究の中心としての地位を築いていった。

福沢が没して久しい1916年(大正5年)、北里は慶應の鎌田塾長から、医学科新設の相談を受けた。北里は即座に賛成した。「福沢先生から受けた恩顧に報いるのは、この時である」と設立委員会の中心となり、準備を進めていく。

以前、福沢は慶應に医学所と設立したことがあるが、短期間で閉鎖を余儀なくされていた。医学科の設立は福沢の悲願であった。

1917年(大正6年)、北里は初代医学科長に就任した。そして十年余の在職期間中、給与その他一切の報酬を固辞し、報恩の精神を貫き、無償でその任にあたったという。

テルモ「医療の挑戦者たち」より