慶應連合三田会会長メッセージのご紹介
新型コロナウイルスの感染が、経済・社会的だけでなく心理的にも深刻な不安を引き起こしている中、慶應連合三田会会長の菅沼安嬉子様より、素晴らしいメッセージをいただきました。元厚労省感染症審議委員・内科医としての立場から、逼迫した医療現場の実情、そして第二波に向けた注意喚起にも触れています。
新型コロナウイルスに多大な打撃を受けながらも、わが慶應義塾は常に前を向き、社会のリーダーとして歩んで欲しいという切なる願いと希望のメッセージとして大切に受け止め、義塾社中としての更なる発展を期し、本状を当会のホームページにて紹介する次第です。
会員の皆様一人一人にご高覧頂き、一層のご理解とご支援、ご協力を切にお願い申し上げます。
慶應義塾大学理工学部同窓会会長 落合 正行
慶應義塾の「新型コロナウイルス感染症拡大にともなう緊急支援のお願い」について
連合三田会の皆様
一般財団法人慶應連合三田会
会長 菅沼安嬉子拝啓
皆様ご無事にお過ごしでしょうか。新型コロナウイルス感染は前回のお手紙をお出しし
た時から、少しトンネル出口の光が大きくなってきました。しかしまだ油断できる状況ではありません。くれぐれもお気を付けください。長かった緊急事態宣言による自粛の為に、経済的ダメージはかってないほどの痛手に苦しんでいます。企業の倒産が相次ぎ、社会の隅々まで不況の波が押し寄せてきて、その影響は慶應義塾の学生にも及び、就学困難な学生が多々存在する状況となりました。
塾長は慶應義塾大学の学生を一人も取り残すことなく救済するとの決意のもと、慶應義塾大学修学支援奨学金、2000年記念奨学金、慶應義塾維持会奨学金から240億円、緊急の奨学金5億円を拠出して、困窮学生に対する政府の支援以外にまず最大40万円の支給を行うことを決められました。私学としてはかなり上位の支援金です。第一波新型コロナウイルス感染は現在収まりつつありますが、ほとんどの専門家は秋以降第二波がやってくるとみています。スペイン風邪の時は第一波よりずっと大きな波で長く続きました。強いウイルスに変異したとみられています。コロナウイルスも変異は早く、2週間毎に変異しているそうです。強毒性に変異したらものすごく大きな波となって人類に襲い掛かってくるかもしれないのです。そうなった時、経済的ダメージはとんでもないことになるでしょう。新たな有事に備えて奨学金を今回取り崩された分以上に積み立てなくてはなりません。皆様のご支援をお願い致します。
慶應義塾大学病院も、一時ロックダウンして財政的にとても苦しい状況に置かれています。医師、看護師、看護助手など医療従事者が必要とするN95マスク、フェイスシールド、防護服の購入を躊躇するくらいひっ迫していて、第二波に備えられません。世界に冠たる医学部、病院を目指して努力してきましたが、感染症専門病院ではないにしても大きな波が来た時の備えをもっと充実させなくては社会のリーダーを目指す慶應義塾の病院として悲しいことです。集中治療室、人工呼吸器、ECMOの体制を整えて、第二波に備えなくてはなりません。こちらも是非ご支援をお願い致します。
慶應義塾が「新型コロナウイルス感染症拡大にともなう緊急支援のおねがい」の寄付を募っています。ご協力くださいますよう伏してお願い申し上げます。 敬具