2017年度理工学部同窓会総会・特別講演会報告

2017年10月15日(日)、2017年度連合三田会大会が開催されました。

同日午後、12:30より日吉キャンパスJ11教室にて理工学部同窓会総会が開催され、落合会長および伊藤学部長からの挨拶に続いて、朝倉常任幹事から昨年度の事業報告がありました。また今年度、同窓会奨学生に選考された学生11名の紹介がありました。

13:00より総会に続いて行われた特別講演は、ジオ・サーチ株式会社代表取締役社長の冨田洋氏による「災害に強くしなやかな社会づくりのために ~貢献工学・減災学のすすめ~」という演題で行われました。当日はあいにくの天気でしたが、塾員および塾生合わせておよそ130名が会場に集まり熱心に講演を聴講していました。

tomita_20171015講演では、マイクロ波技術者だった冨田氏が起業してジオ・サーチ株式会社を設立したいきさつから始まり、マイクロ波による地雷撤去システムの確立、実際の地雷撤去作業の逸話などについての話がありました。世界で最も危険なカンボジアでの地雷撤去作業、その経験を受けてのタイ・カンボジア国境の遺跡での地雷撤去の話など極めて興味深い話をしていただきました。冨田氏の仕事は地雷撤去にとどまらず、マイクロ波を利用した地下の空洞探索装置を作成し、災害を未然に防ぐための都市地下の3次元マップの作製に挑みました。現在、日本の都市の地下には多くの空洞が存在し、また地価のインフラの多くが老朽化しています。福岡市で起きた巨大陥没や地下災害などがどこで起きてもおかしくない状況です。冨田氏は、空洞探索装置をトラックに乗せた世界初の走る路面化CTスキャナを開発し、路面化の3次元マップ作製を実現しました。この3次元マップによって、都市の弱い部分が明るみになり、災害に強い都市設計ができるようになります。

冨田氏のユーモアを交えながらの非常に興味深いお話しに、聴衆は最後まで魅了されたように思います。起業に成功したというだけでなく、世界的に注目される技術を開発し、人々の安全・安心のために貢献する冨田氏の活躍ぶりは、慶應義塾の塾員および塾生に勇気を与えるものだと思います。

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